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  日本昔話百選 改訂新版


日本昔話百選 改訂新版

稲田浩二・稲田和子 編著

1,700円 四六 456頁 978-4-385-36151-2

草深い田舎の炉ばたから世代を超えて伝承されてきた昔話の数々。日本人の心の奥に生き続ける昔話を、全国各地から聞き集めた珠玉の百選。「より原話に忠実に」との観点から地域語(方言)をより正確な表現に訂正。一部の題材を差し替え。小学校高学年から読めるように、大幅にルビを追加。

1971年4月15日 初版 発行
2003月7月10日 改訂新版 発行

アイコン 日本昔話ハンドブック
  編著者略歴   改訂新版の本文についてひとこと
  はじめに(初版)   目次
  あとがき──改訂新版にあたって
  本書に収載した昔話の分類表
  見本ページ



 ●編著者略歴

稲田浩二(いなだ・こうじ)

1925年(大正14年)岡山市に生まれる。広島文理科大学文学部国文学科卒業。京都女子大学名誉教授。梅花女子大学文学部教授。 著書に「蒜山盆地の昔話」(共編・三弥井書店)「大山北麓の昔話」(共編・三弥井書店)「岡山の民話」(未来社)「昔話は生きている」(三省堂)ほか。

稲田和子(いなだ・かずこ)

1932年(昭和7年)岡山県に生まれる。岡山大学文学部英文学科卒業。山陽学園短期大学教授。日本児童文学者協会会員。詩誌「黄薔薇」同人。 著書に「笑いころげた昔」(講談社)「鳥取の民話」(未来社)「かさこじぞう」(小学館)「くわずにょうぼう」(福音館書店) ほか。



 ●改訂新版の本文についてひとこと

 このたびの改訂新版に当たっては、地域語の明らかな誤りを訂正するようつとめました。そのため、全国各地のお話を語る方々からお力添えをいただき、感謝していますが、非力のため、行き届かなかった点は、今後も直していくつもりです。

 新しく加えたり、差し替えた話も数話ありますが、多くは、原話の語りを尊重した初版の姿をとどめました。

 しまいになりましたが、昔話調査にあたられ、貴重な資料を残してくださった原著者の方々に心から感謝し、厚く御礼申しあげます。

 なお、お子様や、地域語になじめない方々は、本文の右に添えた共通語のほうをお読みいただければ幸いです。特に、始まりの句と結末の句には古い形を残しています。

稲田 和子



 ●はじめに(初版)

 日本にはいま、昔話を三百数十話語りついでいる語り婆さがいます。百話、二百話の語り婆さ、語り爺さはゆうに十指に余ります。ことだまの国の伝統が生きております。

祖先は何のために昔話を語りついできたのでしょうか。たしかに、昔話は太古の祖先の幽暗な心をつつみこんでいます。そこが昔話のもついいしれぬ魅力であることは争えませんが、語り婆さの前には、「まんまの一かけらくらい食わんでも、むかし(昔話)を聞きたい」という幼な子があるのです。語り手はそこで、幼い魂に呼びかけ、幼な心をおどらせる話がしたかったのです。語り手の心は、遠い過去を背おいながら未来へ向かって歩んでおりました。

 その昔話は飾りけのない暮らし言葉で語りつがれます。そこに、人生を戦いぬき、愛してきた人々の心がこもります。昔話がいまにわたしたちに語りかけるゆえんです。

 ここにいささか僭越ですが、若い人々のために日本の昔話を代表する百の話を選んでみました。江戸時代の百物語の故知にならい、これでひとまず日本の昔話を展望しうると考えました。「めでたしめでたし」の完形昔話は主要な話型をのがさないよう心がけ、笑話、鳥獣草木譚は心に訴えるよい語りを重視しました。

 言葉をわかりやすい共通語に近づけました。ただし、会話には生きのよい語り調をいとしんで、あるていど地の方言を使っています。語りの楽しさを伝えるために、昔話特有のくりかえしを多くとどめています。

 語り手は一つの風土を内蔵した昔話を伝えます。昔話の生命はその風土をはなれては薄れてしまいましょう。そこで原話を重んじ、できるだけ原話に忠実であることを志しました。原話に弱点があればそれを補強するには、必ず同じ風土の伝承によることにしました。北国には北国の話、西国には西国の話があり、百選のふるさとは広く全土にわたりたく願いました。そこでいちおう国土を三部−北国(北海道・東北)中の国(近畿・中部・関東)西国(中国・四国・九州)に分けて配列してみました。

 語り手と聞き手とがあいづちをなかだちに共作してきたのが昔話です。わたしどもも数知れぬ語り手たちの声にはげまされながら、また聞き手たる読者にもなってこの百話を書いてみました。ここから、日本のより豊かな心がうまれ育つなら望外のしあわせです。

 しまいになりましたが、つねづね敬愛する丸木位里、俊両画伯には、アメリカ合衆国における「原爆の図」展という、画期的な時期に、こころよく点睛の装幀と口絵・挿絵をいただきました。あつく御礼申しあげます。

   1971年1月20日

稲 田 浩 二
稲 田 和 子



 ●目  次

はじめに1

改訂新版の本文についてひとこと  3

  北国の昔コ

1 尻しっ尾ぽの釣  11
2 うぐいすの里  16
3 犬ッコと猫とうろこ玉  19
4 うば百合のたたり  25
5 猿神退治  28
6 尻しり鳴なりべら  31
7 三人兄弟  36
8 さとりの化け物  43
9 猿地蔵  45
10 瓜姫コ  49
11 なら梨なしとり  54
12 鶴つる女房  59
13 かちかち山  63
14 たにし長者  72
15 猿聟さるむこ入り  80
16 地蔵浄土  85
17 力太郎ちからたろう  90
18 魚女房  97
19 てんぽ競くらべ  99
20 塩吹き臼うす  102
21 三枚の札ふだコ  107
22 ねずみ浄土  113
23 狐と狼  119
24 江戸の蛙と京の蛙  125
25 大工だいくと鬼六おにろく  127
26 こぶとり爺じい  131
27 おどる骸骨がいこつ  135

  中の国のむかし

28 鳥呑爺とりのみじい  141
29 天狗てんぐと隠れみの  144
30 あぶの夢  148
31 手なし娘  150
32 天福てんぷく地ち福ふく  155
33 聴耳頭巾ききみみずきん  157
34 黄金こがねの瓜  163
35 猿の生き肝ぎも  167
36 はなたれ小僧さま  171
37 親捨おやすて山やま・  175
38 糠福ぬかふくと米福  180
39 花咲爺はなさかじい  186
40 とび不孝  195
41 風の神と子ども  197
42 ぼたもち蛙  201
43 猫と狩人かりうど  203
44 味買み そかい橋  206
45 鶴と亀の旅  209
46 蟹かにの仇討あだうち  211
47 水乞こい鳥  218
48 粗忽惣兵衛そこつそうべえ  220
49 豆と炭とわら  223

50 蟹問答かにもんどう  225
51 おりゅう柳  227
52 大歳おおとしの火  230
53 団子聟むこ  234
54 からすの鍬くわ  236
55 蛇へび聟むこ入り  238
56 へやの起こり  242
57 ほととぎすと兄弟  246
58 おいとけ堀  248
59 子育て幽霊  251
60 舌切雀  254

  西国の昔話

61 古屋ふるやのむる  263
62 猫と南瓜かぼちゃ  268
63 竹伐きり爺じい  270
64 桃太郎  274
65 えび・たこ・ふぐとからす  280
66 馬子ま ごどんと山んばばあ  284
67 狼女房  290
68 猿とひき蛙の争い  294
69 あとかくしの雪  298
70 分別ふんべつ才兵衛  301
71 似せ本尊ほんぞん  309
72 食わず女房  311
73 ねずみ経きょう  316
74 取り付こうか、引っ付こうか  319
75 絵姿えすがた女房  322
76 猫檀家ねこだんか  326
77 朝日長者と夕日長者  329
78 狼の眉毛まゆげ  339
79 五分ご ぶ次郎  342
80 文福茶釜ぶんぷくちゃがま  349
81 つきこん平ぺい  352
82 隣の寝太郎  361
83 鴨かもとりごんべえ  365
84 ぐずの使い  368
85 炭焼長者  372
86 鼻きき五左衛門  375
87 天人女房  380
88 貧乏神  384
89 吉吾きちごどんの天昇てんのぼり  387
90 天とうさん金かねの鎖くさり  390
91 和尚 おしょうさんと小僧こぞうさん  395
92 笠地蔵  398
93 源五郎の天昇り  401
94 宝化け物  407
95 腰折れ雀  410
96 運定めの話  413
97 隠れ里  418
98 旅人馬たびびとうま  420
99 龍宮女房  425
100 きりなし話・  432

本書に収載した昔話の分類表  435
主な参考文献  446
あとがき  改訂新版にあたって  452



 ●あとがき――改訂新版にあたって

 月日のたつのは早いもので、1971(昭和46)年の春、この「百選」がうぶ声をあげて、今年でもうよわい三十二歳を迎えました。

 想い出しますと、1970年の秋、「原爆の図」アメリカ合衆国展の準備でお忙しい最中の、丸木位里先生、俊先生御夫妻をお訪ねし、お礼のお金はありませんが、表紙絵とさし絵を画いていただけないか、と不躾なお願いをいたしました。ところがお二人は即刻お引き受けくださり、おかげでこの本はまこと望外に幸せな船出ができました。

 今も、昔話をうかがった、全国津々浦々の語り婆さ、語り爺さの、お声やお顔がありありと浮かんできます。みなさんの多くはこの世をお去りになりましたが、そのお話をのせさせていただいた「百選」は、初刷以来昨年までに43刷を重ねることができました。全国各地のお母様やストーリーテラーの方々から、昔話のふるさとのようにして幼な子たちを楽しませている、というたくさんのお便りをいただきました。まことに、著者冥利に尽きる思いです。

 刊行時に助産婦の役をしてくださった、三省堂編集部の相田タミさん、今回改訂の面倒をみていただいた出版局の伊藤雅昭さん、お手数をわずらわせました。心から感謝いたします。

   2003年5月1日

稲 田 浩 二
稲 田 和 子



 ●本書に収載した昔話の分類表

本書に収載した昔話の分類表



 ●見本ページ

見本ページ

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